先日、「退職届を作りたい」というご質問がありました。
会社や組織から離れる時に、必ず提出するものですが、いざ必要となって作成しようとすると「これで大丈夫なのかな?」と不安になるかたも多いかと思います。
そこで簡単にですが、退職願や退職届についてまとめてみました。
結論:法律で決まったフォーマットはありません
いきなり結論から言うと、法律で決まったフォーマットは一切ありません。極端な話、紙に「辞めます」と書いて提出しても法律上の効力は発生します(もちろんおすすめはしませんが……)。
ただ、会社という組織の中で円満に、かつ事務手続きをスムーズに進めるための「お作法」はいくつかあります。以下のポイントを押さえておけば間違いありません。
1. 会社独自のフォーマットがないか確認する
これが一番大事です。就業規則などで「退職を希望する場合は、所定の書式を提出すること」と定められている場合があります。その場合は、インターネットのテンプレートより会社所定のフォーマットが優先されます。
2. 自分で作る場合の「必須項目」
自由形式でも構いませんが、後でトラブルにならないために以下の5点は必ず記載しましょう。
- タイトル:「退職届」または「退職願」
- 退職理由:自己都合であれば「一身上の都合により」でOK(詳細を書く必要はありません)
- 退職日:会社と合意した日付
- 届出日:書類を提出する日
- 署名・捺印:自分の氏名と印鑑(シャチハタは避けるのが一般的ですが、ハンコ不要の会社も増えています)
- 宛先:最高責任者(代表取締役社長など)の役職と氏名
3.「退職願」と「退職届」の使い分け
ここは意外と重要なポイントです。
- 退職願(ねがい):「退職したいのですが、よろしいでしょうか」という申し出。会社が受理する前であれば、原則として撤回できる可能性があります。通常はまずこちらを提出します。
- 退職届(とどけ):「退職することが決定したので通知します」という意思表示。原則として撤回できません。
一般的な流れとしては、退職願で意思を伝え、会社との合意が取れた後に退職届を提出するケースが多いです。
4. 最近の退職届事情
近年では、紙ではなくメールやチャット(SlackやLINEなど)で退職の意思を伝えるケースも増えています。
民法第627条では、期間の定めのない雇用契約(正社員など)の場合、退職の申し出から2週間が経過すれば退職の効力が生じると定められています。つまり、法律上は意思が相手に伝わればよいことになります。
ただし、会社側から「書面として残してほしい」と求められることが多いため、その場合は後から紙またはPDFで提出するのが一般的です。
手書きでなくてもPC作成・印刷で十分です。
提出時期としては、法律上の定めは2週間前ですが、業務の引き継ぎや有休消化などを考慮して、申し出ると良いかと思います。
会社という組織を離れた後は、お互いにいち社会人という立場になります。どこでどんな縁があるかも分かりませんし、出来るだけ「立つ鳥跡を濁さず」を心がけたいですね。
まとめ
- 退職届に法律上の決まったフォーマットはない
- まず就業規則で会社所定の書式がないか確認する
- 退職願は「申し出」、退職届は「確定の通知」で使い分ける
- 民法上は退職の意思表示から2週間で退職が成立する
- 書面はPC作成・印刷で問題ない
退職に関する書類の作成や手続きでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的な状況については、専門家にご相談ください。
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