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法務事務サポートとは?顧問弁護士との違いと使い分けを解説

■はじめに

「顧問弁護士を入れるほどではないけれど、自社だけで契約書を扱うのは少し不安」

「契約書や覚書の確認を、総務担当者や代表者だけで対応している」

中小企業やスタートアップでは、このような状況は珍しくありません。

日々の取引の中では、業務委託契約書、秘密保持契約書、覚書、利用規約、申込書など、さまざまな書面が発生します。

一方で、社内に法務担当者を専任で置くのは簡単ではなく、総務担当者や経営者が、他の業務の合間に契約書まわりの対応をしているケースも多いのではないでしょうか。

そのような場合に、選択肢のひとつとなるのが、行政書士による「法務事務サポート」です。

法務事務サポートは、契約書の作成・確認や、覚書・NDAなどの書面作成、契約書管理の整理など、法務に関連する事務面を継続的に相談できる仕組みです。

ただし、顧問弁護士と同じ役割を担うものではありません。

行政書士が対応できる範囲と、弁護士に相談すべき範囲は異なります。

この記事では、法務事務サポートの内容、顧問弁護士との違い、自社対応との使い分けについて整理します。

中小企業の法務体制を見直す際の参考になれば幸いです。

■法務事務サポートとは?

法務事務サポートとは、行政書士が、契約書作成や書面確認など、企業の法務に関連する事務を継続的にサポートするサービスです。

単発の契約書作成依頼とは異なり、必要に応じて相談できる外部窓口を持てる点が特徴です。

たとえば、次のような業務が対象になります。

  • 契約書ドラフト作成のサポート
  • 業務委託契約書、売買契約書などの作成
  • NDA・秘密保持契約書の作成
  • 覚書・変更合意書の作成
  • 既存契約書の確認
  • 契約書台帳や書類管理の整理
  • 社内向けの書面ひな形の整備
  • 契約書まわりの一般的な運用相談
たとえば、業務委託契約書、NDA、変更覚書などは、日常的に発生しやすい書面です。

これらについて、毎回ゼロから対応するのではなく、一定の確認ポイントや社内ルールを整理しておくことで、契約書まわりの対応が進めやすくなります。

関連する基本事項については、以下の記事でも解説しています。

業務委託契約の基本

NDA・秘密保持契約の基本

変更覚書・追加覚書

なお、契約書の確認といっても、すでに相手方と揉めている案件や、損害賠償請求、解除交渉などを前提とする案件は、弁護士に相談すべき領域です。

行政書士による法務事務サポートは、あくまで紛争性のない段階での書面作成・確認や、社内の契約書運用を整理するためのサポートと考えるとわかりやすいです。

■顧問弁護士との違い

法務事務サポートを検討する際に、よく比較されるのが顧問弁護士です。

顧問弁護士は、法律問題全般について相談できる専門家です。

契約書の作成・確認だけでなく、紛争対応、相手方との交渉、訴訟・調停対応、損害賠償請求への対応など、幅広い法律事務を取り扱うことができます。

一方で、行政書士による法務事務サポートは、契約書などの書面作成や、紛争性のない範囲での書面確認を中心としたサービスです。

対応できる範囲は、顧問弁護士よりも限定されます。

そのため、両者は単純に「どちらがよいか」で比較するものではありません。

会社の状況や相談したい内容に応じて、使い分けることが大切です。

たとえば、次のように考えると整理しやすくなります。

  • 紛争対応や代理交渉が必要な場合
→ 弁護士に相談する
  • 契約書や覚書などの書面を整えたい場合
→ 行政書士に相談できる場合がある
  • 社内の契約書管理や確認フローを整理したい場合
→ 法務事務サポートが選択肢になる
  • 法律問題全般について継続的に相談したい場合
→ 顧問弁護士を検討する

法務事務サポートは、顧問弁護士の代わりになるものではありません。

むしろ、日常的な書面作成や契約書管理を整理しつつ、紛争性がある場合には弁護士へ相談する、という役割分担を意識することが重要です。

■比較表:顧問弁護士・法務事務サポート・自社対応

顧問弁護士、法務事務サポート、自社対応の違いを整理すると、次のようになります。

項目顧問弁護士法務事務サポート(行政書士)自社対応
主な役割法律問題全般への対応書面作成・契約書確認・契約書管理の整理社内での契約書確認・運用
契約書ドラフト作成対応可能対応可能ひな形流用になりやすい
契約書確認対応可能紛争性のない範囲で対応担当者の知識・経験に左右されやすい
紛争対応対応可能対応不可対応困難
代理交渉対応可能対応不可対応困難
訴訟・調停対応対応可能対応不可対応困難
契約書台帳・書類管理事務所により異なる対応できる場合がある社内で整備が必要
費用・工数対応範囲・事務所により異なる対応件数・範囲により異なる担当者の人件費・工数が発生
向いている場面紛争対応や法律問題全般の相談が必要な場合書面作成・確認・契約書管理を継続的に相談したい場合件数が少なく、社内で判断できる場合
このように見ると、法務事務サポートは、顧問弁護士と自社対応の中間に位置する選択肢といえます。

「弁護士に相談するほどではないが、社内だけで対応するには不安がある」

「契約書まわりの事務を少しずつ整理したい」

このような場合に、外部相談の選択肢として検討しやすいサービスです。

■法務事務サポートで相談しやすい内容

法務事務サポートで相談しやすいのは、日常的に発生する契約書・書面まわりの業務です。

たとえば、次のような内容です。

1. 契約書の作成

業務委託契約書、売買契約書、利用規約、申込規約など、取引の内容に合わせた契約書を作成します。

インターネット上のひな形をそのまま使うのではなく、自社の取引実態に合わせて整えることが大切です。

2. 契約書の確認

取引先から提示された契約書について、自社に不利な条項がないか、内容に不明確な点がないか、取引内容と合っているかを確認します。

ただし、すでに相手方と紛争になっている場合や、交渉の代理が必要な場合は、弁護士への相談が必要です。

3. 覚書・変更合意書の作成

既存契約の内容を一部変更する場合、口頭やメールだけで済ませるのではなく、覚書や変更合意書を作成した方がよい場面があります。

変更する条項、変更後の内容、効力発生日などを明確にしておくことで、後日の認識違いを防ぎやすくなります。

4. 契約書ひな形の見直し

過去に作成した契約書や、ネット上のテンプレートをもとにしたひな形を、そのまま使い続けている会社も少なくありません。

ひな形を一度見直しておくことで、毎回の契約書作成や確認が進めやすくなります。

5. 契約書台帳・書類管理の整理

契約書は、作成して終わりではありません。

締結日、契約期間、更新期限、解約期限、相手方情報などを管理しておかないと、更新漏れや確認漏れにつながることがあります。

契約書台帳や管理ルールを整えることも、法務事務サポートの対象となる場合があります。

■法務事務サポートのメリット

法務事務サポートのメリットは、単に「契約書を作ってもらえる」ことだけではありません。

社内の契約書対応を整理し、担当者の負担を減らしやすくなる点にあります。

1. 契約書対応の窓口を整理しやすい

契約書まわりの相談先が決まっていないと、毎回、誰が確認するのか、どこまで社内で見るのかが曖昧になりがちです。

外部相談の窓口を持っておくことで、契約書対応の流れを整理しやすくなります。

2. 毎回の説明負担を減らしやすい

スポット依頼の場合、案件ごとに会社の事業内容や取引の背景を説明する必要があります。

継続的な相談先があると、会社の事業内容やよく使う契約書の傾向を踏まえた相談がしやすくなります。

3. 総務担当者の負担を軽くしやすい

総務担当者が契約書業務を兼任している場合、契約書確認が後回しになったり、急ぎの対応になったりすることがあります。

外部に相談できる体制を整えることで、担当者がすべてを抱え込む状態を避けやすくなります。

4. 社内の契約書運用を見直すきっかけになる

契約書作成や確認の相談をきっかけに、契約書台帳、保存方法、社内承認フローなどを見直すこともあります。

契約書単体ではなく、社内の運用全体を整理する機会になる点もメリットです。

■法務事務サポートの限界

一方で、法務事務サポートには限界があります。

特に、行政書士が対応できる範囲と、弁護士に相談すべき範囲は明確に分けて考える必要があります。

次のような案件は、行政書士による法務事務サポートでは対応できません。

  • すでに取引先と揉めている案件
  • 損害賠償請求をしたい、または請求されている案件
  • 契約解除をめぐって争いがある案件
  • 相手方と示談交渉をしたい案件
  • 代理人として相手方と交渉してほしい案件
  • 訴訟や調停に発展する可能性がある案件
  • 紛争性のある法律相談
これらは、弁護士に相談すべき領域です。

法務事務サポートは、トラブルを未然に防ぐために契約書を整えたり、紛争になる前の段階で書面を確認したりするためのものです。

「契約書を整えておきたい段階」なのか、「すでに相手方と揉めている段階」なのかによって、相談先を分けて考えることが大切です。

■どのような事業者に向いているか

法務事務サポートは、次のような事業者に向いています。

  • 中小企業で、総務担当者が契約書業務を兼任している
  • スタートアップで、契約書のやりとりが増えてきた
  • 業務委託契約書、NDA、覚書などの作成・確認が定期的に発生する
  • 契約書のひな形を一度整理したい
  • 契約書台帳や書類管理を見直したい
  • 顧問弁護士を入れる前段階として、まずは書面まわりを整えたい
  • 紛争対応ではなく、日常的な契約書対応を相談したい
逆に、すでに紛争が起きている場合や、相手方との交渉が必要な場合は、法務事務サポートではなく、弁護士への相談が適しています。

■外部に相談する前に整理しておくとよいこと

法務事務サポートを利用するかどうかにかかわらず、契約書まわりを外部に相談する場合は、事前に次の点を整理しておくとスムーズです。

  • どのような契約書を作成・確認したいのか
  • 新規作成なのか、既存契約書の確認なのか
  • 自社が契約のどちら側の立場なのか
  • 取引の内容や業務の流れ
  • 相手方から提示された契約書なのか、自社で作成した契約書なのか
  • 継続的に発生する業務なのか、単発の相談なのか
  • 希望する納期
  • 特に不安に感じている条項やポイント
契約書は、文面だけを見ても判断しにくいことがあります。

取引の背景や実際の運用を踏まえて確認することで、より実態に合った整理がしやすくなります。

■はじま行政書士事務所で対応できること

はじま行政書士事務所では、契約書の作成・確認を中心に、契約書まわりの法務事務についてご相談を承っています。

たとえば、次のような内容です。

  • 契約書の作成
  • 契約書の確認
  • 覚書・変更合意書の作成
  • NDA・秘密保持契約書の作成・確認
  • 既存契約書ひな形の見直し
  • 契約書台帳や管理方法の整理
  • 書面作成に関するご相談
また、必要に応じて、契約書台帳の整備や社内での確認フローの整理など、バックオフィス実務に関するご相談にも対応しています。

ご相談は、原則としてWEB経由で承っております。

内容やボリュームによって対応可否や納期が変わるため、まずは契約書の内容やご希望を確認したうえで、対応可能な範囲をご案内いたします。

なお、すでに相手方と紛争になっている案件、代理交渉が必要な案件、訴訟・調停に関する案件については、弁護士へのご相談をおすすめする場合があります。

また、印紙税や会計処理など税務判断を伴う論点については、税理士へのご相談をおすすめする場合があります。

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※WEB完結でお受けしているため、即時対応は難しい場合があります。事前にご相談ください。

■まとめ

法務事務サポートは、行政書士が契約書作成・確認など、書面まわりの法務事務を継続的にサポートする仕組みです。

顧問弁護士のように、紛争対応や代理交渉、訴訟・調停対応を行うものではありません。

一方で、契約書や覚書、NDAなどの書面業務が継続的に発生している会社にとっては、社内の契約書対応を整理するための選択肢になります。

大切なのは、すべてを社内で抱え込むのではなく、社内で対応する部分、行政書士に相談できる部分、弁護士に相談すべき部分を分けて考えることです。

契約書まわりの対応に不安がある場合は、まず自社の状況を整理し、必要に応じて外部相談も検討してみるとよいでしょう。

はじま行政書士事務所では、契約書の作成・確認や、契約書管理に関するご相談を承っています。

お困りの際は、状況に応じてご相談ください。


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