■はじめに
「契約書って、自社で作れないのかな?」 「インターネットでひな形を拾えば、それで済むのでは?」 そんなふうに考えたことはありませんか?
確かに、今はAIや無料テンプレートで契約書のひな形が簡単に手に入る時代です。コストをかけずに自社で作りたい、という気持ちはよくわかります。
しかし実際には、自社内製には「目に見えないコスト」が潜んでおり、後から思わぬトラブルに発展するケースも少なくありません。一方で、行政書士や弁護士に依頼すると料金が発生します。「どっちが結局お得なのか?」が見えにくいのが、契約書作成という業務の難しいところです。
この記事では、契約書を「自社で作る場合」「行政書士に依頼する場合」「弁護士に依頼する場合」の3パターンについて、コスト・時間・専門性・リスクの観点から比較します。どの場面でどの選択肢が合うのか、判断の目安にしてみてください。
■自社で契約書を作る場合の「見えないコスト」
自社で契約書を作ると、表面上のコストはゼロに見えます。しかし、よく見ると次のようなコストが発生しています。
担当者の人件費(時給換算)
契約書を1通作るには、調査・条文の検討・社内確認・修正対応など、想像以上に時間がかかります。
- ひな形を探す:1〜2時間
- 内容のカスタマイズ:2〜4時間
- 関連法令の確認:1〜3時間
- 社内レビュー・修正:2〜5時間
調査・書籍・テンプレートの購入費
法務担当者がいない会社では、専門書を購入したり、有料のテンプレート集を契約したりするケースも多くあります。これらの費用も「契約書を作るためのコスト」に含めて考える必要があります。
修正リスク・条項の見落とし
最も大きな「見えないコスト」が、これです。
- 重要な条項が抜けている
- 自社に不利な条文が入ったまま締結してしまう
- 課税文書かどうかの判断を誤り、印紙の貼り忘れ等が後から問題になる(印紙税の具体的な税額判断は税理士の領域です)
- 民法改正(2020年)に対応していない古いひな形を使ってしまう
過去の契約書の管理
紙やバラバラのPDFで管理していると、いざという時に「あの契約書、どこにあったっけ?」となりがちです。管理コストも軽視できません。
なお、契約内容を一部変更するときの方法については、変更覚書・追加覚書とは?の記事もご覧ください。
■外注する場合のコスト相場
では、専門家に外注した場合のコスト感はどうでしょうか。
行政書士に依頼する場合
シンプルな契約書であれば、数万円から依頼できる場合があります。たとえば、業務委託契約書やNDA(秘密保持契約書)など、定型性の高いものは比較的軽い負担で対応しやすいです。
複雑な条件設定が必要な契約書(複数当事者・国際取引・特殊な業界慣行を含むものなど)は、内容に応じて見積りが変わります。
弁護士に依頼する場合
弁護士に依頼する場合は、対応範囲の広さに応じて費用感が変わります。事案の複雑性や紛争リスクの大きさによって幅がありますので、具体的な金額は事務所にご確認ください。
紛争予防の観点を踏まえた踏み込んだ検討や、訴訟リスクまで見据えたアドバイスを受けたい場合は、弁護士への依頼が適しています。
■自社内製・行政書士・弁護士の3パターン比較表
| 項目 | 自社内製 | 行政書士 | 弁護士 |
|---|---|---|---|
| 費用感(1通あたり) | 人件費換算で社内コストが発生 | 数万円から依頼できる場合あり | 対応範囲・案件により変動 |
| 所要時間 | 数日〜数週間 | 数日〜2週間程度 | 1〜3週間程度 |
| 専門性 | 担当者次第 | 書面作成・レビューに精通 | 法律全般・紛争対応に精通 |
| 対応範囲 | 社内文書全般 | 契約書・覚書・各種書面の作成 | 契約書+紛争対応+訴訟代理 |
| 紛争対応 | 不可 | 不可(弁護士の業務領域) | 可能 |
| こんなときに | 軽微な社内文書 | 紛争性なしの契約書全般 | 紛争性ありの案件 |
■行政書士に依頼するメリット
弁護士より費用が抑えやすい
同じ契約書1通でも、行政書士の方が単価は抑えやすい傾向にあります。日常的な契約書作成・チェック業務で、紛争性がなく、契約条件の整理や書面化が中心となるケースであれば、行政書士への依頼が選択肢となる場面も多くあります。
書面作成・契約書レビューに精通している
行政書士は、官公署提出書類のほか、契約書・覚書・合意書などの権利義務に関する書類の作成を業務としています。契約条件を文書化し、条項の抜け漏れ、表現の不明確さ、書面全体の整合性を確認する場面では、専門家の目を入れるメリットがあります。
特に、業務委託契約の基本やNDA・秘密保持契約の基本のような定型性の高い契約書では、コストパフォーマンスの高い選択肢になります。
シンプルな契約書なら数万円から
「ちょっとした契約書だけど、自分で作るのは不安」というケースに、行政書士は適しています。
■行政書士に依頼するデメリット・限界
一方で、行政書士には対応できない領域があることも知っておいてください。
紛争性のある案件は対応できない
すでに当事者間でもめている、訴訟になりそう、相手方と交渉してほしい、法的主張を組み立てて請求したい、というような案件は、弁護士に相談すべき領域です。
行政書士は、契約書・覚書・合意書などの書面作成を通じて、取引内容を整理し、将来のトラブルを予防するためのサポートを行います。これに対し、すでに発生している紛争について代理人として交渉したり、訴訟・調停に対応したりすることはできません。
弁護士法72条に抵触する業務はできない
具体的には、次のような業務は行政書士では行えません。
- すでに紛争になっている案件について、依頼者の代理人として法的主張を組み立てたり、相手方と交渉したりすること
- 相手方との代理交渉
- 訴訟・調停・審判の代理
- 紛争性のある案件について、代理人として相手方に通知・交渉すること
このため、相手方と既にトラブルになっている場合は、最初から弁護士に相談する方が結果的にスムーズです。
AIで契約書を作る選択肢について
最近は、AIで契約書のひな形を作ったり、レビューしたりするツールも増えてきました。便利な反面、限界もあります。詳しくはAIリーガルチェックツールの限界やAIで作った契約書ひな形を使う前の確認の記事もご覧ください。
■どんな場合にどれを選ぶべき?判断基準
行政書士が向いているケース
- 紛争性のない、これから締結する契約書を作りたい
- 業務委託契約・NDA・簡易な売買契約など、比較的定型性のある契約書
- 既存のひな形をブラッシュアップしたい
- できるだけコストを抑えて、専門家の目を入れたい
弁護士が向いているケース
- すでに相手方とトラブルになっている
- 訴訟リスクを見据えた踏み込んだ検討が必要
- 相手方との交渉を代理してほしい
- 高額・複雑な国際取引などで紛争リスクが高い
月額の法務事務サポートが向いているケース
- 月に数件、契約書チェックの依頼が発生する
- 軽微な書面の作成・修正が継続的に必要
- 都度依頼するより、定額で相談できる体制が欲しい
■はじま行政書士事務所のサービス
当事務所では、次のサービスを提供しています。
- 単発の契約書作成・レビュー:契約書の内容・分量に応じてお見積り
- 月額制の法務事務サポート:継続的な契約書チェック・覚書作成等に対応
📝 変更覚書、行政書士が代行作成します
「自分で作るのは不安」「忙しくて時間がない」
そんなときは、ペラ1枚の変更覚書から気軽にご依頼いただけます。
シンプル変更覚書プラン
3,300円〜(税込)
- ✅ A4 1枚以内・変更条項3つまで
- ✅ 行政書士が原契約書を確認のうえ作成
- ✅ 修正1回まで対応・最短3営業日で納品
- ✅ Word/PDFで納品(電子契約にも対応)
※範囲を超える内容は別途お見積もりとなります。
※WEB完結でお受けしているため、即時対応は難しい場合があります。事前にご相談ください。
■まとめ
- 自社内製は表面コスト0円に見えるが、人件費・調査時間・条項の見落としリスクなど「見えないコスト」がかかる
- 行政書士への依頼は、紛争性のない契約書なら数万円から依頼できる場合がある
- 弁護士への依頼は、紛争リスクの高い案件・訴訟視野での検討が必要な案件に向いている
- 紛争性なし+これから締結する契約書なら、行政書士に相談しやすい選択肢
- すでにもめている/訴訟視野なら、最初から弁護士へ
- 継続的にチェック業務が発生するなら、月額制のサポートの活用も検討を
「この契約書、自分たちで作って大丈夫かな?」と少しでも迷われたら、はじま行政書士事務所までお気軽にご相談ください。
契約書のことで困ったら、気軽に相談してください
「これって自分で作れる?」「送られてきた契約書、このままサインして大丈夫?」そんな不安、一人で抱え込まないでください。
はじま行政書士事務所では、フリーランス・副業の方から中小企業まで、契約書の作成・レビューをお手伝いしています。
▼ 安心してご依頼いただくために
- 秘密は守ります:行政書士法による守秘義務があります。ご相談内容が外部に漏れることはありません。
- 条件は事前に明確にします:業務内容・報酬・支払条件はメール等で事前にご確認いただいてから開始します。
- 前払い制です:入金確認後に業務を開始しますので、依頼後のトラブルを防げます。
土日祝日も対応しています。まずはお気軽にどうぞ。

