ブログ

覚書に印紙税はかかる?課税される覚書・されない覚書の見分け方を解説

■はじめに

「覚書を作ったけど、これって収入印紙を貼る必要があるのかな?」と迷ったことはありませんか。

契約書には印紙を貼るイメージがあっても、「覚書」となると判断に迷う方は多いものです。タイトルが「覚書」だから印紙はいらないのでは、と考えてしまうこともあるかもしれません。

しかし、印紙税がかかるかどうかは、書面のタイトルではなく中身(記載された内容)で判断されます。つまり「覚書」という名前でも印紙が必要になる場合があり、逆に「契約書」という名前でも不要な場合があります。

この記事では、覚書に印紙税がかかるかどうかの見分け方を、総務・経理のご担当者にもわかりやすいように整理して解説します。なお、印紙税の最終的な課否や税額の判定は税務署・税理士の領域となるため、迷ったときの確認先についてもあわせてお伝えします。

■覚書でも印紙税がかかる理由

タイトルではなく「中身」で課税が決まる

印紙税は、印紙税法で定められた「課税文書」に対してかかります。重要なのは、文書の呼び方ではなく、そこに何が書かれているかという点です。

国税庁も、文書の課否は記載内容に基づいて判断するという考え方を示しています。タイトルが「覚書」「念書」「合意書」「メモ」であっても、課税文書に該当する内容が書かれていれば印紙税の対象になります。

  • ❌「タイトルが覚書だから非課税」
  • ✅「覚書の中身が課税文書に当たるかどうかで判断する」

契約書と覚書の基本的な違いについては、覚書と契約書の違いとは?もあわせてご覧ください。

原契約を変更する覚書に注意

実務で特に問題になりやすいのが、すでにある契約(原契約)の内容を変更・補充する覚書です。

たとえば、もとの契約書が課税文書だった場合、その契約の「重要な事項」を変更する覚書は、原契約と同じ区分の課税文書として扱われることがあります。変更覚書・追加覚書の基本については変更覚書・追加覚書とは?で詳しく解説しています。

■課税される覚書・されない覚書の見分け方

「重要な事項」を変更する覚書は課税対象になり得る

印紙税法では、契約内容の変更や補充のうち「重要な事項」に関わるものを記載した文書は、課税文書として扱われます。何が「重要な事項」に当たるかは文書の区分ごとに定められており、たとえば次のような内容が挙げられます。

  • 契約金額・単価などの金額
  • 契約の対象物・目的物
  • 取引の数量
  • 支払方法・支払期日
  • 契約期間・契約の更新に関する定め

これらを変更する覚書は、もとの契約が課税文書である場合、印紙税の対象になることがあります。

軽微な変更は非課税の場合がある

一方で、契約の本質に関わらない軽微な変更だけを記載した覚書は、課税文書に当たらない場合があります。

  • 誤字・脱字の訂正
  • 担当者名・連絡先の変更
  • 表現や文言の修正にとどまるもの

ただし、「軽微かどうか」の線引きは内容によって微妙なケースも多く、自己判断が難しい場面があります。判断に迷う場合は税務署や税理士に確認しておくと安心です。

見分け方の整理(表)

覚書の内容印紙税の扱い(一般的な傾向)
課税文書の契約金額を増額・変更する課税対象になり得る
支払方法・契約期間など重要事項を変更する課税対象になり得る
担当者名・連絡先など軽微な事項の変更非課税となる場合がある
文言の修正・誤記の訂正のみ非課税となる場合がある

※これはあくまで一般的な傾向の整理です。実際の課否はもとの契約の区分や記載内容によって変わるため、最終判断は税務署・税理士にご確認ください。

■覚書が該当しやすい文書区分

印紙税法では、課税文書を第1号から第20号までの区分に分類しています。覚書が関係しやすい代表的な区分を、一般的な説明としてご紹介します。

第1号文書・第2号文書

  • 第1号文書:不動産の譲渡、地上権・土地賃借権の設定、運送に関する契約書など
  • 第2号文書:請負に関する契約書(工事請負・制作請負など)

これらの契約の重要事項を変更する覚書は、同じ区分の課税文書として扱われることがあります。

第7号文書(継続的取引の基本契約書)

取引基本契約書のように、継続的な取引の基本となる事項を定めた文書は第7号文書に区分されます。第7号文書に該当する場合、印紙税額は原則として1通につき4,000円です。ただし、契約期間が3か月以内で、かつ更新の定めがないものは第7号文書から除かれます。

取引基本契約書の重要事項を変更する覚書も、第7号文書に該当する場合があります。取引基本契約書そのものについては取引基本契約書とは?でも解説しています。

なお、契約書と印紙税の基本的な関係については契約書と印紙税の基本もご参照ください。

■電子の覚書なら印紙は不要

紙ではなく電子データ(PDFの電子契約など)で覚書を取り交わす場合、印紙税はかかりません

印紙税は「文書」に対して課される税金であり、課税の対象になるのは紙の文書を作成した場合です。電子データには課税文書としての「作成」が生じないという整理がされているため、電子で締結した覚書には収入印紙が不要となります。

そのため、印紙税の負担を抑える観点から電子契約を選ぶケースも増えています。電子契約と印紙税の関係については電子契約にすると印紙税は不要?で詳しく解説しています。

ただし、電子化には別途、本人確認や証拠力の確保といった検討すべき点もあるため、印紙税だけを理由に判断するのではなく、運用全体で考えることが大切です。

■判断に迷ったときの考え方

覚書に印紙が必要かどうかは、次のような順番で整理すると考えやすくなります。

1. 紙か電子か … 電子データなら印紙税はかからない 2. もとの契約は課税文書か … 原契約が非課税なら、その変更覚書も対象外のことが多い 3. 変更する内容は「重要な事項」か … 金額・対象物・支払方法などの重要事項なら課税対象になり得る 4. 軽微な変更にとどまるか … 文言修正・担当者変更のみなら非課税の場合がある

この流れで整理しても判断が難しい場合は、無理に自己判断せず、税務署の相談窓口や税理士に確認することをおすすめします。印紙税の課否や税額の最終判断は税務の専門領域となります。

■印紙の貼り忘れに注意

課税文書に必要な収入印紙を貼っていなかった場合、後から「過怠税(かたいぜい)」が課されることがあります。

過怠税は、本来納めるべき印紙税額に加えて、その一定割合が上乗せされる仕組みとされています。自主的に申し出た場合と、税務調査で指摘された場合とで取扱いが異なるとされているため、貼り忘れに気づいたときの対応も含めて、詳しくは税務署・税理士にご確認ください。

なお、印紙を貼り忘れていても覚書そのものの契約としての効力がなくなるわけではありません。あくまで印紙税法上の問題として整理されるものです。とはいえ、後から余計な負担が生じることを避けるためにも、作成時点で必要性を確認しておくと安心です。

■行政書士に相談できる範囲

はじま行政書士事務所では、覚書や契約書の作成・内容の確認に対応しています。

  • 覚書・変更覚書の作成
  • 既存ひな形の見直し
  • 契約書・覚書の内容確認

一方で、印紙税の具体的な税額判定や課否の最終判断は、税務判断を伴うため税務署・税理士の領域となります。覚書の文面を整える段階でのご相談には対応できますので、必要に応じて使い分けていただければと思います。

📋 契約書まわりでお困りですか?

こんなお悩み、社内で抱え込んでいませんか?

  • 「この契約書、自分で作って大丈夫かな?」
  • 「相手から提示された契約書、内容を確認してほしい」
  • 「変更覚書やNDAを、そのつど誰かに相談したい」
  • 「社内のひな形を、一度きちんと見直したい」

はじま行政書士事務所では、契約書の作成・確認・修正に関するご相談を承っています。
単発のスポット相談から月額の継続サポートまで、状況に応じてご案内します。

※WEB経由でのご相談を原則としており、即時対応は難しい場合があります。事前にご相談ください。
※すでに相手方と紛争になっている案件・代理交渉・訴訟対応は弁護士の領域となります。

■まとめ

覚書に印紙税がかかるかどうかのポイントを整理します。

  • 印紙税はタイトルではなく書面の中身で判断される
  • 「覚書」という名前でも、課税文書に当たる内容なら印紙が必要になり得る
  • 原契約が課税文書で、その重要な事項(金額・対象物・支払方法など)を変更する覚書は課税対象になり得る
  • 担当者変更・文言修正などの軽微な変更は非課税の場合がある
  • 電子データの覚書には印紙税がかからない
  • 印紙の貼り忘れには過怠税が課されることがある
  • 課否や税額の最終判断は税務署・税理士の領域

覚書の文面づくりや契約書の内容確認でお困りの際は、必要に応じて、はじま行政書士事務所へご相談ください。印紙税の課否判定そのものについては、税務署や税理士への確認とあわせてご検討いただくと安心です。


契約書のことで困ったら、気軽に相談してください

「これって自分で作れる?」「送られてきた契約書、このままサインして大丈夫?」そんな不安、一人で抱え込まないでください。

はじま行政書士事務所では、フリーランス・副業の方から中小企業まで、契約書の作成・レビューをお手伝いしています。

▼ 安心してご依頼いただくために

  • 秘密は守ります:行政書士法による守秘義務があります。ご相談内容が外部に漏れることはありません。
  • 条件は事前に明確にします:業務内容・報酬・支払条件はメール等で事前にご確認いただいてから開始します。
  • 前払い制です:入金確認後に業務を開始しますので、依頼後のトラブルを防げます。

土日祝日も対応しています。まずはお気軽にどうぞ。

👉 お問い合わせはこちら

PAGE TOP