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AIで作った契約書ひな形をそのまま使う前に確認すべき5つのポイント

はじめに

「AIに頼んで契約書のひな形を作ってもらった」「ネットで見つけたAI生成のテンプレートを使おうと思っている」――そんな方が増えています。

生成AIの普及により、契約書のひな形を手に入れるハードルは大きく下がりました。しかし、入手しやすくなったからこそ、「確認せずにそのまま使ってしまう」リスクも高まっています。

この記事では、AI生成の契約書ひな形を使う前に必ず確認すべき5つのポイントを、具体的に解説します。


そもそも「ひな形」とは?

契約書のひな形とは、特定の種類の契約に共通して使われる標準的な文書の骨格のことです。業務委託契約書・秘密保持契約書・売買契約書など、各契約の種類に応じたひな形が存在します。

AIが生成するひな形は、大量の契約書データを学習した結果として出力されるもので、一見すると完成度が高く見えます。しかし、そこには必ず「限界」があります。


ひな形をそのまま使う前の5つの確認ポイント

ポイント① 自社のビジネス内容に合っているか

最初に確認すべきは、そのひな形が自分のビジネスの実態に合っているかどうかです。

同じ「業務委託契約書」でも、ITシステムの開発委託・デザイン制作・コンサルティング・清掃業務など、業務の内容によって必要な条項は大きく異なります。特に以下の点は、ひな形の内容をそのまま使うと危険なことがあります。

  • 業務の範囲と成果物の定義:何をもって「完了」とするかが曖昧だと、納品・検収でトラブルになります
  • 報酬の支払い条件:月額・成果報酬・都度払いなど、自社の取引形態に合っているか
  • 再委託の可否:業務の一部を外注できるかどうかの取り決めが必要な場合があります

ポイント② 最新の法令に対応しているか

AI生成のひな形が、最新の法改正に対応していない可能性があります。特に確認が必要なのは以下の点です。

  • 2020年民法改正:「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に改正されています。古い表現のまま使い続けると、法的解釈でトラブルになることがあります
  • フリーランス保護新法(2024年11月施行):フリーランスへの業務委託が含まれる場合、明示義務・報酬の支払期日に関するルールが追加されています
  • 個人情報保護法(2022年改正):個人情報に関する条項がある場合、改正後の取り扱いに沿っているか確認が必要です

ポイント③ 法的に有効な条項になっているか

AIが生成した条項の中には、法的に無効・または機能しない内容が含まれていることがあります。

典型的な例として以下が挙げられます。

  • 全額免責条項:「いかなる損害も責任を負わない」という表現は、民法の強行規定により無効となる場合があります
  • 過度な違約金条項:実損害とかけ離れた違約金の設定は、公序良俗違反として無効になるリスクがあります
  • 一方的な解除条項:相手方の権利を著しく制限する内容は、状況によっては効力が否定されることがあります

ポイント④ 必要な条項が揃っているか

AIが生成するひな形は、指示(プロンプト)の内容によって必要な条項が抜け落ちることがあります。業種や取引内容によって異なりますが、一般的に以下の条項が含まれているかを確認しましょう。

  • 秘密保持条項(情報漏洩のリスクがある場合)
  • 知的財産権の帰属(成果物の著作権・権利の所在)
  • 解除条項と解除後の処理
  • 管轄裁判所の合意
  • 反社会的勢力の排除条項
  • 損害賠償の範囲・上限

ポイント⑤ 相手方との力関係・交渉余地を考慮しているか

ひな形はあくまでたたき台です。取引の実態や相手方との関係によって、修正・追加が必要な場合がほとんどです。

たとえば、企業側が作成するひな形は、交渉を前提としてその企業に有利な内容になっていることが多く、大手企業から提示されたひな形をそのまま受け入れると、中小企業やフリーランスにとって不利な条件になるケースがあります。

ひな形の内容確認だけでなく、「この内容で自分にとって問題ないか」という視点での検討も欠かせません。


確認後の対応ステップ

5つのポイントを確認した後は、以下の流れで対応することをおすすめします。

ステップ1:修正が必要な箇所をリストアップする
確認したポイントに基づき、修正・追加が必要な項目を整理します。

ステップ2:自社の事情に合わせて修正する
業種・取引規模・リスクの所在などを踏まえて、ひな形を自社仕様にカスタマイズします。

ステップ3:重要な契約は専門家にリーガルチェックを依頼する
特に金額が大きい・長期にわたる・初めての種類の契約については、専門家によるチェックを受けることをおすすめします。


まとめ

  • AI生成のひな形は入手しやすいが、確認なしにそのまま使うのは危険
  • ビジネス内容との適合・最新法令への対応・条項の有効性・必要条項の網羅・力関係の考慮の5点を確認する
  • 確認後は修正・カスタマイズを行い、重要な契約は専門家のチェックを受けることで安心して使えるようになる

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