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AIリーガルチェックツールの限界と専門家(弁護士・行政書士など)に依頼するメリット

はじめに

契約書のチェックに、AIツールを使ってみたことはありませんか?

近年、契約書の内容を自動で解析してリスク条項を指摘してくれるAIリーガルチェックサービスが次々と登場し、「手軽に使える・コストが抑えられる」として注目を集めています。

しかし、AIツールだけに頼ってしまうと、重要な問題を見落としたり、自社にとって不利な条項が残ったままになるリスクがあります。この記事では、AIリーガルチェックツールの仕組みと限界、そして専門家に依頼することで得られるメリットをわかりやすく解説します。


AIリーガルチェックツールとは?

AIリーガルチェックツールとは、契約書のテキストをAIが解析し、リスクのある条項を自動で検出・修正提案するサービスです。主な機能としては以下が挙げられます。

  • 不利な条項の検出(例:一方的な解除権、損害賠償の上限設定)
  • 抜け漏れチェック(例:秘密保持条項、管轄裁判所の記載)
  • 修正案・代替表現の提示
  • 同種の契約書との比較

スタートアップから大企業まで幅広く導入が進んでおり、確かに一定の効果があります。
私も実務で使用していますが、非常に便利で効率化につながるツールだと感じています。
しかし、実際に使用していると、AIリーガルチェックツールの限界を感じることも多いです。
利用する際には限界をしっかり理解しておくことが大切です。


AIリーガルチェックの5つの限界

1. 個別事情・業界慣行に対応できない

AIは大量のデータをもとに学習していますが、あなたのビジネスの具体的な状況や業界特有の慣行を理解することはできません。

たとえば、IT業界における納品物の定義の慣行や、建設業における下請契約の実態、あるいは特定の取引先との過去のトラブルといった個別事情は、AIには把握できません。「一般的には問題ない条項」が、あなたのビジネスでは大きなリスクになることもあります。

2. グレーゾーンの判断が苦手

法律には「明確な違反ではないが、リスクがある」というグレーゾーンが多数存在します。AIは白黒がはっきりしたケースには対応できますが、解釈の余地がある条項や、状況によっては有利にも不利にもなる条項については、的確な判断が難しいです。

3. 契約書全体のバランスを見られない

各条項の問題点は指摘できても、「この契約全体としてあなたにとって適切か」というバランス感覚での判断はAIには限界があります。個別の条項では問題がなくても、複数の条項が組み合わさることで不利な状況が生まれるケースがあります。

4. 相手方との交渉には対応できない

AIが修正案を出しても、実際に相手方と交渉して修正を実現するのは人間の仕事です。どの条項をどこまで譲れるか、交渉の落としどころをどうするかは、AIには判断できません。

5. 法改正への対応が遅れることがある

法律は改正されることがあります。AIツールの学習データが古い場合、最新の法改正に対応していない可能性があります。特に2020年の民法改正以降、契約書の条項表現が変わった点は多く、古い表現のまま使い続けることで、契約の解釈においてトラブルになることもあります。


専門家に依頼する5つのメリット

1. 個別事情に合わせたチェックができる

専門家は、あなたのビジネス内容・取引先との関係性・過去のトラブルなども踏まえた上で、契約書の内容を判断します。「この条項はあなたのケースでは特にリスクが高い」といった個別具体的な視点でのチェックが可能です。

2. グレーゾーンも経験と知識で対応できる

長年の実務経験をもとに、法律的にグレーな部分についても適切な対応策を提示できます。どのように条項を修正すればあなたにとってより適切な内容になるかを、具体的に提案します。

3. 契約書の作成・修正も一括対応できる

AIツールはチェックと提案が中心ですが、専門家であれば契約書の作成・修正まで一括して対応できます。修正案を受け取って自分で直す手間がなく、スムーズに契約書を整備できます。

4. 問題点をわかりやすく説明してもらえる

法律の専門知識がない方にとって、AIが出力する技術的な指摘は理解しにくいことがあります。専門家であれば、問題点をわかりやすく説明した上で、どう対処するかを一緒に考えることができます。

5. リスクを把握した上で判断できる

AIツールを使った場合、最終的な判断責任はユーザー自身に帰します。
専門家に依頼した場合も、契約当事者としての責任はあなた自身が負う点は変わりません。ただし、専門家は業務上の善管注意義務のもとで専門的知見にもとづくチェックを行います。「知らずにリスクを抱え込む」のではなく、「把握した上で判断できる」状態にできることが、専門家に依頼する意義です。


AIツールと専門家の使い分け方

AIリーガルチェックツールを完全に否定するわけではありません。以下のような基準で上手に使い分けることが大切です。

AIツールが向いているケース

  • 大量の契約書をまず一次確認したい
  • 定型的な内容で、特に複雑な個別事情がない

専門家への依頼が向いているケース

  • 金額が大きい・重要度が高い契約
  • 初めて締結する種類の契約書
  • 過去にトラブルがあった取引先との契約
  • 自社の業界特有の条件が多い契約

ビジネスの根幹に関わる重要な契約書については、AIだけに頼らず、専門家のチェックを受けることが安心です。


まとめ

  • AIリーガルチェックツールは手軽で便利だが、個別事情・グレーゾーン・契約全体のバランスへの対応には限界がある
  • 相手方との交渉や最新の法改正対応においても、AIだけでは不十分なケースがある
  • 専門家に依頼することで、個別事情に合わせた専門的なチェックと修正・作成まで一括対応が可能になる
  • 重要度・金額が大きい契約書は、AIだけに頼らず専門家のレビューを受けることが安心

大切な契約書のリーガルチェックは、ぜひ専門家にお任せください。

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なお、当事務所では以下の点をご説明した上で業務をお受けしています。

  • 守秘義務:行政書士法により、業務上知り得た秘密を守る義務が課せられています。ご相談内容が外部に漏れることはありませんので、安心してご相談ください。
  • 契約書の締結について:当事務所では、業務内容・報酬・支払条件等をメール等の書面で事前に明確にした上で業務を開始しております。単発案件が多い性質上、都度の契約締結は省略しておりますが、条件の透明性は必ず確保しております。
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土日祝日も対応していますので、お気軽にご相談ください。

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