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「習得物件預かり書」の保管期限

落とし物を警察に届けた際に発行される「習得物件預かり書」は、何か月保管すればいいですか?というお問い合わせを頂いたので、ご説明します。

まず、落とし物を拾ったら、7日以内に警察に届け出ることで、「拾得物件預り書」を受け取り、拾得者の権利を取得することができます。

拾得者の権利とは、以下の3つです。

① 遺失者(落とした人)に報労金を請求する権利

遺失者が判明した場合に、落とし物の価値の5%~20%の間でお礼を受け取ることができます。ただし、駅やデパートなどの施設で拾われたものの場合、お礼は施設と折半になるため、2.5%~10%となります。
この権利は、遺失者が判明したあと1か月以内に行使する必要があります。

②3か月以内に遺失者が判明しない場合、物件を受け取る権利

3か月たっても遺失者が見つからない場合には、落とし物を自分のものとして受け取ることができます。
3か月たっても、警察から遺失者に変換するという連絡がない場合は、拾い主が落とし物の所有権を取得しているので、習得物件預かり書に記載の物件引取期間内に、警察に連絡をしたうえで受け取りに行きましょう。
引き取り期間(2か月)を経過すると、所有権は都道府県に帰属することになります。

※クレジットカードや身分証明書、携帯電話機等の個人の情報が記録等されている物件の所有権は取得することができません。

③物件の提出、保管に要した費用を請求する権利

落とし物の返還を受けた遺失者に対して、落とし物を提出する際にかかった費用(交通費・運搬費など)及び保管する際に要した費用(動物の治療代や餌代など)を請求することができます。また、拾い主が落とし物の所有権を取得した際には、警察が保管する際に要した費用を負担する必要がある場合があります。
この権利は、遺失者が判明した後、1か月以内に行使する必要があります。

 

これらの権利は、ひとつだけを選択して主張することも、一切を放棄することもできます。
ただし、①の報労金を請求する権利と、③の費用を請求する権利を行使する際には、遺失者に拾い主の氏名と住所を伝える必要があります
また、報労金や費用の額は、当事者(遺失者と拾い主)が話し合って決める必要があります

以上から、権利の行使をしないのであれば、すぐに廃棄してしまっても問題ないと考えられます。
施設の運営者の方などで、お客様からの問い合わせに応える必要がある場合などでも、5カ月(保管期間3か月+引き取り期間2か月)を過ぎると、所有権は都道府県に移ってしまうため、保管しておく必要性は薄いといえるでしょう。

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遺失物法

(趣旨)
第1条
 この法律は、遺失物、埋蔵物その他の占有を離れた物の拾得及び返還に係る手続その他その取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

(報労金)
第28条
 物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格の100分の5以上100分の20以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。
2 前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の2分の1の額の報労金を支払わなければならない。
3 国、地方公共団体、独立行政法人、地方独立行政法人その他の公法人は、前二項の報労金を請求することができない。

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