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故意と過失(重過失/軽過失)の違いについて

法律や契約書における「故意」や「過失」の違いについて、説明します。

1.故意とは
何らかの結果が発生することを認識したうえで、意図的に行うことを指します。
他人に損害を与えることを認識していながら、あえて意図的に行った場合などは、故意によるものと考えられます。

2.過失とは
結果(損害)の発生は予見されていたのに、発生を予防する注意を義務を怠ったことで、その結果(損害)が発生してしまった場合を指します。
不注意により他人に損害を与えてしまった場合は、過失によるものと考えられます。


故意が意図的(意識的)であるのに対して、過失は不注意による点が異なります。
さらに、過失はその程度に応じて「重過失」と「軽過失」に分けられます。

2-1.重過失とは
些細な注意を払うことにより結果(損害)を避けることができたにもかかわらず、その義務を怠ったことにより、結果(損害)が発生してしまった場合です。
重過失の場合、故意に準じた法的責任を負うことがあります。

2-2.軽過失とは
通常払うべき注意を払えば、結果(損害)を避けることができたにもかかわらず、その義務を怠ったことにより、結果(損害)が発生してしまった場合です。


通常、法的な責任の重さとしては、故意>過失(重過失>軽過失)の順で重くなり、法律や契約書で、単に「過失」と記述される場合は、重過失と軽過失の両方を指すものと理解されます。
なお、重過失と軽過失の判断基準となる注意義務の内容や程度は、立場や状況によって異なるため、訴訟などの際には個別具体的な状況に基づき裁判所によって判断されます。

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(不法行為による損害賠償)
民法709条
 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

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